オートバイ(2)
韓国人の別名は「出前民族」
新型コロナや4.15国会議員選挙があってさもなくば新聞紙面を席巻していたであろうn番部屋関連の話も埋もれつつあるなか、実は独禁法関連で興味深いニュースが地味に話題です。
韓国の出前サービス・アプリ業界でシャア2位、3位を占める“요기요(ヨギヨ, 33.5%)”と“出前通(배달통, 10.8%)”をドイツのデリバリー・ヒーローズという会社が保有してるのですが、この会社が業界1位の“배달의민족(出前民族, 55.7%)”を買収しまいしまた。
その結果、デリバリー・ヒーローズ傘下の3社が出前サービス・アプリ業界でシェア合計90%以上を占めることになり、また会社の売上額規模も大きいため、公取委の審査が始まります。
ところが、審査の途中で、出前民族が加盟飲食店の広告露出の仕組みを変えたり、手数料を定額制から料率制に変更したりして、多くの加盟飲食店が大反発。社会問題化してしまい、出前を頼む一部消費者の皆さんが出前民族不買(不利用?)運動に乗り出したり(https://ux.nu/okrl2)、一部の自治体が手数料なしで飲食店に利用させる出前アプリを開発し、なんとそれが別の自治体に拡散しつつあったりします(https://ux.nu/diYjI)。
これ、独禁法の観点からはいまホットな話題になっているプラットフォーム事業者に対する規制という側面もあって極めて興味深いのですが、ここではひとまず、出前サービスが全国民の利害に関わるのが韓国なのだ、ということを確認したいと思います。
韓国はまさに出前の国、そして韓国人は出前民族なのであります。
出前は深夜まで続くのだ
「出前」という固有語があるくらいですから、日本でも出前は伝統的サービスです。最近では一部のチェーン系レストランやファスト・フード店でも出前サービスをしているようですし、コロナ騒ぎのためテイクアウトとともに出前サービスを充実させているようです。
ただ、日本の場合、二人前以上から可能という(おそらく)暗黙の了解があったり、深夜は出前をしないなど、制限があります。
しかし、韓国、特にソウルは違います。最近でこそ「出前は10,000ウォン(ざっくり1,000円弱)以上の注文から」などと言う食堂もちらほらあるようですが、それでもまだ4,500ウォンのチャヂャンミョンひとつでも躊躇なく出前を頼めます。さらに凄いのが、友人と部屋で一杯やりつつ午前2時くらいに小腹が減って「チキンでも注文するか」というのがOKなところです。
夜食といえばチキンとピザが王道ですが、少なくともソウルと釜山ではメニューも色々と選べます。これは本当に凄いわけですが、それを支えているのがバイクとライダーです。コロナの影響で、出前ライダーがいつにも増して忙しいと言います。くれぐれも事故には気をつけて。
(つづく)